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なぜ、現代の親は「伝記」の価値を理解しづらいのか?

  • 執筆者の写真: 塾長 中牟田浩明 一信塾
    塾長 中牟田浩明 一信塾
  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月30日




① 【自ら伝記に触れる機会が少なかった】

まず第一に、現代の親世代(30代〜40代)は、かつてのように「伝記を学校で読む」経験をほとんどしていない世代です。

  • 昭和中期までは、小学校の図書室に必ず「偉人伝」がずらりと並び、道徳教育や読書感想文の定番でした。

  • しかし平成以降は、「個性重視」や「学力重視」への偏りとともに、伝記が軽視・除外される傾向が強まりました。

📌 つまり、親自身が伝記の教育的価値を体験していないため、 「伝記=昔の硬い本」「道徳臭い」「時代遅れ」と感じてしまうのです。


② 【“目に見える成果”が重視される時代背景】

現代の保護者の多くは、

  • 「成績にどうつながるか」

  • 「受験や通知表にどう関係するか」という**“即効性・効率性”の視点で教育を捉える傾向**があります。

  • 伝記は確かに「語彙力・共感力・思考力」を育てますが、 それはゆっくりと、内面から育つものであり、 点数や偏差値にはすぐ反映されません。

📌 そのため、「時間のわりに成果が見えない」と感じてしまいがちです。


③ 【“正解を求める教育観”が根づいている】

現代の親世代は、いわゆる詰め込み教育→ゆとり教育→脱ゆとりの混乱期をくぐり抜けた世代です。

  • 多くが「正解のある勉強」「解法中心の指導」を受けて育ちました。

  • その結果、「正解のない問い」「人物の生き方から何かを学ぶ」といった曖昧で開かれた学びを「価値が低い」と感じやすいのです。

📌 伝記は「答え」よりも「気づき」や「問い」を与える学びです。 

だからこそ、“効率重視の教育観”に慣れた親には価値が伝わりにくいのです。


④ 【「誰もが偉人になれる時代」の逆説的誤解】

現代は、「個性の時代」「自己実現の時代」と言われます。

  • SNSやYouTubeなど、誰もが情報発信できるようになった今、 「偉人=特別な存在」「真似すべきロールモデル」として語ること自体に違和感を持つ人も少なくありません。

📌 「伝記=偉人崇拝」ではなく、 「人生の困難をどう乗り越えたか」を知る**“思考と感情の共感教材”**だという理解が不足しています。


⑤ 【家庭内の読書習慣が断絶している】

  • 多くの親が「自分は読書しない(できない)」状態であり、本の価値を言葉で語れない・モデル(子どもの模範)になれないことが大前提としてあります。

📌 親が「本を勧める」こと自体に自信が持てないため、伝記を勧めることに戸惑いが生じるのです。


まとめ:伝記とは、過去の偉人の話ではなく、

今を生きる子どもが「これからどう生きるか」を考える“人生の教材”です。


現代の保護者に伝えたいことは、以下の3点です。

  • 伝記は「硬い道徳」ではなく、「生き方と葛藤の物語」であること

  • 子どもが夢を持てない時代だからこそ、「生き抜く知恵」を伝える必要があること

  • 読解力・思考力・表現力の養成に直結する「最も知的な教材」の一つであること

 
 
 

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