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「大学入試は“知っている子”が勝つ時代に──高2・高3からでは遅い?」

  • 執筆者の写真: 塾長 中牟田浩明 一信塾
    塾長 中牟田浩明 一信塾
  • 5月5日
  • 読了時間: 4分


【導入:いま大学入試はどう変わっているのか?】

「高校には入れたから、あとは本人が頑張るだけ」 「成績もそこそこ取れているし、推薦か一般かはその時に考えればいい」

多くの保護者の方がこのように考えているのではないでしょうか。かつての大学入試なら、それでもなんとかなったかもしれません。ところが、いまの大学入試は、制度そのものが大きく変化しています。高校2年生、3年生になってから「そろそろ受験だ」と動き始めても、手遅れになるケースが増えているのです。

その理由はシンプルです。 大学入試は今、「どれだけ勉強したか」よりも、「どんな情報を持ち、どんな準備をしてきたか」が合否を分ける時代に突入したからです。

本記事では、現行の入試制度の実態をふまえながら、高校2年生以上の保護者が今こそ知っておくべきこと、そしてお子様を支えるためにすべき準備と行動について、詳しくお伝えします。


【第1章:共通テストの正体──知識偏重型から思考力重視型へ】 共通テストは2021年からセンター試験に代わって実施されている新しい大学入試の全国共通試験です。 この共通テストが大きく異なる点は、「単純な知識暗記」ではなく、「読解力」「情報処理力」「論理的思考力」が問われるという点にあります。

たとえば、

  • 国語では複数の実用文を組み合わせて読み取り、要点をまとめる力

  • 数学では会話文や図表の中から必要なデータを読み取り、自分の言葉で考える思考力

  • 英語では、ただ単語を覚えるのではなく、長文を素早く理解し、文脈を踏まえて正解を選ぶ力

などが求められています。

つまり、いくら知識を詰め込んでも、「意味を理解し、構造を把握し、判断する力」がなければ正解にたどり着けません。 そして、こうした力は1年や半年の努力では身に付かないのです。少なくとも2〜3年かけて育てる必要があります。


【第2章:総合型・学校推薦型選抜の拡大──合格者の6割が“試験以外”で決まる】 いまや、私立大学では約60%、国公立大学でも約45%が、一般入試ではなく「総合型選抜(旧AO入試)」や「学校推薦型選抜」で合格しています。

これらの入試で問われるのは、テストの点数だけではありません。

  • 探究活動の実績や学びのテーマ性

  • 小論文での論理的思考と社会的関心

  • 面接での自己表現力、将来ビジョンの明確さ

つまり、これまでの「内申点+一般試験」ではなく、 「経験・表現・対話・課題解決力」といった、より実社会に近い力が評価される時代になったのです。

そしてこれらの力は、定期テストの点数だけを追っていては育ちません。高1から準備を始めている受験生も多く、下手をすると中学時代から“探究力”を育てている子どももいます。


【第3章:なぜ高2・高3からでは遅いのか?】 保護者の多くは、「高3の夏から塾に行けばなんとかなる」「模試の結果を見てから方向性を決めればいい」と思っているかもしれません。

しかし、それではもう間に合わない理由が3つあります。

① 受験制度の多様化と複雑化: → 一般選抜・推薦型・総合型とそれぞれに必要な準備とスケジュールが違うため、 高3からでは“並行して”準備するのが困難です。

② 小論文・面接・ポートフォリオの質: → 思考力・表現力は短期間では育たない。場数と積み重ねが不可欠。

③ 上位層はすでに動いている: → 志望理由書を高1から書き始めている生徒も多く、情報戦での遅れは命取りになります。


【第4章:今、保護者ができること】 子どもの代わりに勉強をしてあげることはできません。ですが、環境を整えること、情報を集めること、学ぶ目的を共有することはできます。

今すぐ始められることは、以下の4つです。

  1. 志望大学の最新の入試情報を調べる(一般/推薦/共通テスト配点など)

  2. 学校外での学び(課外活動・読書・探究テーマ)に目を向ける

  3. 小論文・面接の練習環境を用意する(家庭での対話も含む)

  4. 塾や外部機関と連携し、“推薦と一般の両立指導”ができる場所を探す


【第5章:未来の選択肢は、今の学び方で決まる】 大学受験は、過去最大に“戦略”と“情報”がものをいう時代になりました。 「ちゃんと勉強していれば、なんとかなる」という時代ではない。

でも逆に言えば、 「早くから、正しく知って、的確に準備している家庭」は着実に合格を手にしています。

未来は、入試の先にあります。 そしてその未来を切り拓くための武器は、今のうちにしか磨けません。

ぜひ、保護者の皆様には、お子さまがただ受験に追われるのではなく、 「自分の力で進路を選び、未来をつくる」姿勢を持てるよう、 日々の対話と環境づくりを通じて支えていただければと思います。

大学入試は“知っている子”が勝つ時代。 そして、“知ろうとしている家庭”が子どもの背中を押せる時代でもあるのです。

 
 
 

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