「道」と「残心」を教育に生かす
- 塾長 中牟田浩明 一信塾
- 4月19日
- 読了時間: 3分

今こそ子どもに伝えたい“見えない力”
現代の教育は、「正解を早く出す力」「効率よく点を取る力」に偏りがちです。
しかし、本当に大切な学びとは、それだけで十分なのでしょうか?
私たちが子どもたちに伝えたいのは、
“生き方そのもの” としての学び、つまり「道」と「残心」の精神です。
🥋「道」とは、“技”を通じて“人”を磨くこと
柔道・剣道・書道・茶道などに共通する「道」は、単なる技術や競争にとどまらず、
人としての在り方を磨く修練の場でした。
礼に始まり、礼に終わる
相手への敬意、自分の未熟さへの謙虚さ
継続することの尊さ、努力の意味
こうした人格形成の要素は、受験や成績では測れません。
けれど、**人間の土台となる“ぶれない軸”**として、一生を支えます。
🧘♂️「残心」とは、行動の“あと”に心を残すこと
「残心」とは、武道の中で、技を決めたあとに
油断せず、最後まで気を抜かない心の姿勢を指します。
たとえ勝っても、慢心せず、相手を敬う
動作を終えたあとにも“気”を残す
一瞬で終わらせず、余韻をもって次に備える
この感覚は、**“目に見えない美意識”や“心の余白”**を育てるものです。
🎓 教育における「道」と「残心」とは何か?
📍「道」の現代的な教育的意味:
「学ぶ」ことを点数ではなく、自己成長の“道”として捉える姿勢
「やらされる」から、「高めようとする」学びへ
「勝ち負け」より「高め合い」を大切にする心
📍「残心」の現代的な教育的意味:
テスト後に、やりっぱなしにせず振り返る力
勉強や部活の成果だけでなく、その後の行動・表情・言葉遣いにまで“心を残す”
感謝、余白、謙虚さといった人としての品格を育てる
具体例①:授業後の「残心」
ただ「授業を終える」のではなく、
「今日何が一番印象に残ったか」
「もっと知りたいことは何か」
「次に自分は何をするか」と自問する時間をとることで、「残心=学びの余韻」を持たせる。
具体例②:成果後の「道」の意識
テストで良い点を取った生徒に、「どう感じた? どう活かす?」と問いかける→ 成績=結果に満足せず、学びを次の“道”につなげる思考を促す
具体例③:読書・作文指導における「道と残心」
偉人伝を読んだあとに、「この人の“道”のどこに感動した?」と問い、
単なる感想ではなく価値観との出会いとして深める
書き終えた作文に、「もう一歩、読んだ人の心に残す言葉がないか?」と問いかける
まとめ:今こそ、“型”の中に“心”を育てるとき
教育における「道」と「残心」は、**“知識を超えた人間力”**を育てるための道標です。何のために学び、どう生きるか。テストでは測れないけれど、社会で信頼され、自らの人生に誇りを持って歩むために、今こそ子どもたちに「本物の学びの道」を歩ませる教育が必要だと、私たちは考えます。
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